日本はまだ石炭火力発電所を建設するのか

日本政府は、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す」と表明しました。にもかかわらず、現在も石炭火力発電所の計画・建設が進んでいます。2012年以降に計画された50基の石炭火力発電所のうち、15基は中止されたり、他の燃料に転換されたりしましたが、その他の一部は稼働がはじまり、他にも新設が続いています。

日本が2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を達成するためには、2030年に石炭火力をフェーズアウトすることが不可欠です。

日本国内の石炭火力発電所の状況をウォッチしている「Japan Beyond Coal」には、日本の石炭火力発電所ゼロに向けたカウントダウンが毎月更新されています。

日本の石炭火力発電所新設のうねり

以下は、特に進行を注視している現在建設中3箇所の概要です。このうち、神戸と横須賀では、地域住民が市民社会と共に建設中止を求めて活動を行っています。

 

建設中(神戸と横須賀は訴訟中)

神戸火力発電所計画 兵庫県神戸市

  • 事業者:神戸製鋼所
  • 設備容量:65万kW  2基
  • 運転開始予定:2021年、2022年

神戸製鋼が神戸市内に計画を進める130万kW の大規模石炭火力発電所計画は、大気汚染公害が深刻であった地域にあり、住宅街からわずか400mの近さで建設が進められている。CO2排出量は年692万t。2歳から80歳代までの幅広い世代の地域住民らによって2018年より民事訴訟と行政訴訟が続けられている(リンク)。行政訴訟は2021年3月15日に判決が出て、住民の訴えが退けられたが、同月26日には大阪高裁に控訴した。民事訴訟の闘いも審議が続いている。

横須賀発電所計画 神奈川県横須賀市

  • 事業者:JERA
  • 設備容量:65万kW  2基
  • 運転開始予定:2023年

TEPCO (51%が国の資本が入っている)と中部電力が出資しているJERAが計画する東京湾に唯一残る石炭火力発電所計画(千葉県で計画されていた3つの石炭火力発電所計画は中止)。計画地の神奈川県横須賀市は小泉進次郎環境大臣の出身地でもある。規模は130万kWに上り、726万tのCO2を年に排出する。その排出量は、世界の排出量全体の0.02%に相当する。JERAは2020年10月に、50年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロを目指すと発表したが、本計画は継続中。40年間の稼働によって早期死亡者数は計3500人に上るとされている。2019年から、横須賀市民を中心多とした48名が原告となり、事業の環境アセスメントの手続きで確定通知を出した国(経済産業省)に対して裁判を行っている。(リンク

西条発電所計画 愛媛県西条市

  • 事業者:四国電力
  • 設備容量:50万kW
  • 運転開始予定:2023年

愛媛県にて四国電力が進める設備容量50万kWの計画。2019年5月に建設が開始され、2023年運転開始を目指してリプレース工事が進んでいる。運転が開始されれば年246万tのCO2を排出すると推計される。四国電力菅内の電力需要の低下が見込まれ、座礁資産リスク大きいと考えられる上、自然エネルギーを活用できるポテンシャルも十分にあり、事業の必要性は疑がわしい。

No Coal Japan の要望

日本は再生可能エネルギーを強力に推進する国になることができます。ですが、そのためには以下が必要です。

  • 日本国内に石炭火力発電所を新設しないこと
  • パリ協定の目標を達成するためにOECD諸国に求められる行動と整合するよう、すべての石炭火力発電所を2030年までに段階的に廃止すること